育休後に退職することは、自分の人生設計やキャリアプランに合わせて決めることができる権利です。しかし、会社や同僚にとっては迷惑なことであると感じられる可能性が高く、育休もらい逃げや産休育休むかつくという言葉が飛び交うこともあります。
では、本当に育休後に退職するのはずるいのでしょうか?
この記事では、育休後に退職することのメリットとデメリットを徹底解説します。また、円満退職するためにやるべきことや、退職後の生活設計やキャリアプランの立て方なども紹介します。
育休後に退職することを考えている方や、すでに決めている方は、ぜひ参考にしてください。
育休後に退職するのはずるい?退職する人の本音と対処法
育休後に退職することは、自分の人生設計やキャリアプランに合わせて決めることですが、周囲からはずるいと思われたり、会社や同僚に迷惑をかけたりするのではないかと不安に感じる人も多いでしょう。
育休後に退職することは本当にずるいのでしょうか?退職する人の本音や対処法について、詳しく見ていきましょう。
育休後に退職することは法的に問題ない
まず、育休後に退職することは法的に問題ないということを知っておきましょう。
育児休業法では、育休中や育休明けに退職することを禁止したり、罰則を設けたりしていません。また、労働基準法では、労働者が自由に雇用関係を解消できると定めています。
つまり、育休後に退職することは、自分の意思で決めることができる権利であり、違法ではありません。
ただし、育休後に退職する場合でも、一般的な退職手続きやマナーは守らなければなりません。例えば、退職届を提出する期限や方法、引き継ぎの内容や方法などは、会社の規定や上司の指示に従って行う必要があります。
また、育休中や育休明けに退職することが分かったら、早めに会社や同僚に報告し、感謝の気持ちや謝罪の気持ちを伝えることも大切です。
育休後に退職する人の割合はどれくらい?
次に、育休後に退職する人の割合はどれくらいなのかを見てみましょう。
厚生労働省が発表した「平成30年度 女性の雇用管理調査」 によると、平成30年度(2018年度)の産前産後・育児休業取得者数は約35万人であり、そのうち約3万人が復帰前または復帰後1年以内に離職しています。つまり、約9%の人が育休後に退職していることになります。
この割合は年々減少傾向にありますが、それでも高い水準です。特に復帰後1年以内の離職者数は約2万6千人であり、約7%を占めています。これは、育児と仕事の両立が難しいことや、復帰後の仕事環境が変わってしまったことなどが原因だと考えられます。
育休後に退職する理由は人それぞれ
では、具体的にどんな理由で育休後に退職する人がいるのでしょうか?
育休後に退職する理由は人それぞれですが、一般的には以下のようなものが挙げられます。
これらの理由は、どれも自分の価値観やライフスタイルに基づいて決めることです。育休後に退職することは、自分の人生をより良くするための選択であると言えます。
育休後に退職するメリットとデメリット
育休後に退職することは、自分の人生をより良くするための選択であると言えますが、それにはメリットとデメリットがあります。育休後に退職することのメリットとデメリットを以下にまとめました。
メリット
デメリット
育休後に退職することは、メリットとデメリットを天秤にかけて決めることです。自分の優先順位や目標を明確にし、将来的な影響も考慮しながら、慎重に判断しましょう。
育休後に退職する場合のタイミングと注意点
育休後に退職する場合、いつ退職するかも重要なポイントです。育休中に退職するか、育休明けに復帰してから退職するかで、影響が変わってきます。
育休後に退職することは法的に問題ありませんが、会社や同僚に迷惑をかけないように、以下のような点に注意しましょう。
退職の意思はできるだけ早めに伝える
通常の退職と同様に、就業規則に従って退職届を提出しましょう。遅くとも育休明けの2ヵ月前には相談するのが望ましいです。
退職理由は批判的な内容にしない
育児と仕事の両立が難しいことや、保育園に入れないことなど、具体的な事情を説明しましょう。
退職日によっては育児休業給付金が受け取れなくなる可能性がある
退職日が属する支給期間の一つ前までが支給対象となるため、退職日と支給日の締め切りの関係を確認しておきましょう。
退職や転職は保育園入園の指数にも影響する可能性がある
保育園の入園は各家庭の状況に合わせた点数で審査されるため、転職先の就労日数や勤務時間が短くなった場合は入園の優先順位が下がる可能性があります。
転職先での休暇が取りにくい可能性がある
有給休暇や子の看護休暇、時短勤務制度などは、入社後6ヵ月以上や1年以上経過しないと利用できない場合が多いため、転職先の制度を事前に確認しましょう。
以上が育休後に退職する場合のタイミングと注意点です。
育休後に退職すると受け取った手当は返金しないといけない?
育休後に退職する場合、受け取った手当としては、主に以下の2種類が考えられます。
これらの手当は、基本的には退職後も返金する必要はありません。ただし、以下のような場合は例外となる可能性があります。
したがって、育休後に退職する場合は、会社の規定や契約内容を確認し、必要な手続きや報告を行うことが大切です。また、育休後に退職することで、失業保険や退職金などにも影響が出る可能性がありますので、注意しましょう。
育休後に退職する人がずるいと思われる理由とその対策
育休中や育休明けに退職する人がずるいと思われる背景
育休後に退職する人がずるいと思われる理由は、主に以下のようなものが考えられます。
これらの理由は、育休後に退職する人が会社や同僚に対して不誠実や不公平だと感じられる可能性があることを示しています。
しかし、これらの理由は必ずしも正しいとは言えません。育休後に退職することは法的に問題なく、自分の人生設計やキャリアプランに合わせて決めることです。
また、育児と仕事の両立は難しいことや、育児を始めると環境が変わることも多いことを考慮すべきです。
育休後に退職する人がずるいと思われないための対策は、主に以下のようなものが考えられます。
これらの対策は、育休後に退職することで会社や同僚に迷惑をかけないように、一般的な退職手続きやマナーを守ることを意味しています。
また、自分の価値観やライフスタイルに基づいて決めた選択であることを自信を持って伝えることも大切です。
育休明け1ヶ月で退職するのは迷惑か?
育休明け1ヶ月で退職することは、法律的には可能です。育休後に退職することに関しては、特に制限や罰則はありません。また、育児休業給付金や育児休業手当なども返金する必要はありません。
ただし、育休明け1ヶ月で退職することは、会社や同僚にとっては迷惑なことであると感じられる可能性が高いです。なぜなら、以下のような理由があるからです。
育休明け円満退職するためのコツ
育休明け円満退職するためのコツは、以下の5つです。
退職の意思を早めに伝える
退職の意思は、退職日の1~2ヶ月前までに伝えるのが一般的です。早めに伝えることで、会社に引き継ぎ期間を確保してもらえます。また、上司や同僚に迷惑をかけないように、円満退職に向けて準備を進めることができます。
退職の理由を明確にする
退職の理由は、会社を否定する内容にならないように注意しましょう。例えば、「仕事が忙しすぎて育児との両立が難しい」という理由は、会社を否定するような印象を与えてしまいます。また、退職の理由を明確にすることで、会社としても引き継ぎの準備をしやすくなります。
引継ぎはしっかりと行う
退職前に、自分の業務をきちんと引き継ぐようにしましょう。引き継ぎが不十分だと、後任に迷惑がかかってしまい、円満退職につながりません。また、引き継ぎを行うことで、会社に感謝の気持ちを伝えることができます。
会社の繁忙期は避ける
退職のタイミングは、会社の繁忙期を避けるようにしましょう。繁忙期に退職すると、会社に迷惑をかけてしまう可能性があります。また、退職後も円満な関係を築きたい場合は、会社の繁忙期を避けることが大切です。
感謝の気持ちを伝える
退職する際には、会社や上司、同僚に感謝の気持ちを伝えましょう。感謝の気持ちを伝えることで、円満退職につながります。また、退職後も円満な関係を築くことができます。
育休明けは、仕事と育児の両立が難しくなる時期です。そのため、退職を決断するときは、慎重に考えることが大切です。また、退職する際には、上記のコツを参考にして、円満退職を実現しましょう。
具体的な退職の伝え方としては、以下のようなものが挙げられます。
育休明けの退職は、会社や上司、同僚に迷惑をかけないように、誠意を持って対応することが大切です。
育休もらい逃げや産休育休むかつくと言われたらどうすればいい?
育休もらい逃げや産休育休むかつくとは、育休中や育休明けに退職する人に対して、会社や同僚が不満や批判を言うことです。これは、育休中や育休明けに退職することが会社や同僚に迷惑をかけると感じられるからです。
しかし、育休中や育休明けに退職することは法的に問題なく、自分の人生設計やキャリアプランに合わせて決めることができる権利です。また、育児と仕事の両立は難しいことや、育児を始めると環境が変わることも多いことを考慮すべきです。
したがって、育休もらい逃げや産休育休むかつくと言われたら、以下のような対処法があります。
育休後に退職しても後悔しないためにやるべきこと
育休後に退職しても後悔しないためにやるべきことは、以下の3つです。
育休中によく考える
育休中に、仕事と育児の両立が本当に難しいのか、よく考えましょう。育休中は、仕事から離れて子育てに専念できる貴重な時間です。この時間を有効に活用して、仕事と育児の両立が本当に難しいのか、自分の気持ちと向き合ってください。
退職後の生活を具体的に考える
退職後の生活を具体的に考えましょう。仕事以外の収入はどのように確保するのか、子育てをどのようにするのか、などについて、具体的なプランを立てましょう。
退職の意思を早めに伝える
退職の意思は、退職日の1~2ヶ月前までに伝えましょう。早めに伝えることで、会社に引き継ぎ期間を確保してもらえます。また、上司や同僚に迷惑をかけないように、円満退職に向けて準備を進めることができます。
具体的には、以下の点に注意しましょう。
育休後に退職することは、決して悪いことではありません。しかし、後悔しないためには、しっかりと準備をして、円満退職を実現することが大切です。
また、育休後に退職しても後悔しないためには、以下の点も意識するとよいでしょう。
育休中に、仕事と育児の両立が難しい理由を明確にすることで、退職という選択が本当に自分にとって最適なのか、判断しやすくなります。また、退職後の生活のメリットとデメリットを比較することで、退職後の生活が本当に自分にとって望ましいかどうか、考えることができます。
そして、退職後の生活を実現するための具体的な計画を立てることで、退職後の不安を解消することができます。
育休後に退職するかどうかは、自分にとって大きな決断です。慎重に考え、後悔しない決断をしてください。
育休後に退職する男性はどう思われる?
育休後に退職する男性に対する世間の目は、まだ完全には肯定的ではないというのが現状です。
育休を取得する男性は増えていますが、育休後に復帰する男性はまだまだ少ないのが現状です。そのため、育休後に退職する男性は、仕事に対する責任感や覚悟が足りないのではないか、と思われてしまうことがあります。
また、育休後に退職する男性は、妻に育児を押し付けているのではないか、とも思われてしまいます。
しかし、育休後に退職する男性には、以下のような理由があると考えられます。
育休中に、仕事と育児の両立の難しさを実感し、退職という選択をする男性もいます。また、育児に専念したいという思いから、退職するという男性もいます。さらに、キャリアチェンジしたいという思いから、退職するという男性もいます。
育休後に退職する男性に対する世間の目は、徐々に肯定的になってきています。しかし、まだまだ完全には肯定的ではないというのが現状です。
育休後に退職する男性は、自分の決断をしっかりと説明することが大切です。また、育休中にしっかりと準備をして、円満退職を実現することも大切です。
育休後の退職はずるいのまとめ
- 育休後に退職することは法的に問題ないが、会社や同僚に迷惑をかけると感じられる可能性が高い
- 育休後に退職することで収入や福利厚生などに影響が出る可能性がある
- 育休後に退職する理由や目的を明確にし、自分の人生設計やキャリアプランに合わせて決めることが大切
- 育休後に退職するメリットとデメリットを比較し、自分の価値観やライフスタイルに基づいた選択であることを自信を持って伝える
- 育休後の生活設計やキャリアプランを立て、家計の見直しや貯金の計画、子どもの教育費や老後資金などを考える
- 育休後の再就職や転職を考える場合は、自分のスキルや経験、希望する条件などを把握し、資格取得やスキルアップなどを目指す場合は、必要な時間や費用などを調べる
- 退職の意思はできるだけ早めに伝え、退職届を提出する期限や方法、引き継ぎの内容や方法などは会社の規定や上司の指示に従う
- 退職日によっては育児休業給付金が受け取れなくなる可能性があることや、保険料免除が打ち切られることなども確認する
- 保育園や幼稚園の入園は各家庭の状況に合わせた点数で審査されるため、転職先の就労日数や勤務時間が短くなった場合は入園の優先順位が下がる可能性があることも確認する
- 退職時に感謝の気持ちや謝罪の気持ちを伝え、会社や同僚との交流を維持する
コメント